先日のサイバーシティ八王子10周年記念講演会の後、「アンドロイドで発展する八王子」はいいけど、ライセンスってどうなっているのかが気になっていたので確認しました。
以下は、個人用メモとして公開します。
Android Open Source Project(以下、アンドロイド)のライセンス情報は下記に掲載されています。
http://source.android.com/source/licenses.html
アンドロイドソフトウェアの大部分は、Apache Software License, 2.0 でライセンスされるとなっています。これは、アンドロイドも大元を辿れば、LINUXのオープンソースを使用しているからでしょう。
ライセンス契約書は、個人と企業の2種類ありますが、子会社を含むとか含まないとかを除いて、ライセンスの基本そのものは同じとなっています。
以下、企業向けライセンスの契約書(http://source.android.com/source/cla-corporate.html)を見ながら解説していきます。
Contributor(アンドロイドプロジェクトの参加者)はライセンス契約書に署名することで、アンドロイド製品に対する、プロジェクト参加者からの権利行使から保護されるとなっています。また、Contributorの保有する権利は、アンドロイド以外の目的に対しては効力が維持されることも示されています。
この契約書で「You」と表記されているのは、契約書に署名した会社のみならず、支配下にある関連会社も含むと定義されています。
「Contribution」は、その製作物がオリジナルだろうが改変だろうが、プログラムだろうが文書だろうが、プロジェクトの構成員から提供されたものは何でも含むと解釈しました。
まずは著作権の許諾。無期限、無償、ワールドワイド、非独占的です。
続いて特許権の許諾。全ての特許を無期限、無償、ワールドワイド、非独占的に許諾します。実施態様は限定列挙形式ですが何でも入りそうな勢い。Contributionに権利行使を行ったものに対しては、上記許諾を破棄できる互恵条項もあります。
この条項、アンドロイドが世界を席巻したら、競争を阻害する条項として独禁法がやばくなりそうです。
以下、付帯条項が続きますが、省略させていただきます。
この契約をざっくりとチャートにすると下記のようになります。
留意すべきは、アンドロイドでは呉越同舟となっているライバルに対し、アンドロイド外ならば特許権の行使は可能だという点です。
「どうせ無償で全件ライセンスだから」といって、製品化だけに没頭していてはいけません。アンドロイド外、あるいはアンドロイド後の事業で勝つためには、知財権の増強は欠かせないのです。