去る2012年2月3日に、八王子商工会議所 中小企業相談所主催の交渉学セミナーが開催されました。
とても寒い日でしたが、30名を越える多数の方に参加いただきました。参加の動機は、交渉学に興味を持たれたり、日常の交渉で課題を持たれたりとさまざまですが、とても熱心に講義と模擬交渉に参加いただけました。
第1部は一色先生の講義。交渉学が生まれた背景をドラマチックに語り、受講者の皆さんを引き込んでいきます。
そして時折、我々ティーチングアシスタント(TA)に質問を投げ掛け、TAは阿吽の呼吸で伝えるべきポイントを話します。ちなみにこのやりとり、事前の打ち合わせ等は一切なしで、毎回質問も答えも違います。
続いて第2部の模擬交渉へと移ります。今回はブランド時計の売買交渉を1対1で行います。割り当てられた交渉役に分かれて、それぞれに独自の背景情報が与えられます。わずかな時間のうちに受講者の皆さんは、背景情報の書かれたシートを読み込まなければなりません。
そこで登場するのが交渉準備マップ。マップ作成の方法論、メリットなどをタケモトが講義いたしました。これからも、「交渉を設計するためのツール」として交渉準備マップを普及させていきたいと思います。
模擬交渉の前に、TAによる模擬交渉のデモが約10分間行われます。いきなり価格交渉を始めるのかと思いきや、来訪の目的やショップの特徴を話し合い、受講者の皆さんは唖然とします。
そしてデモ終了後、ここまでのやり取りは全て、後半の条件交渉へのフックであることが、一色先生から解説されます。このとき、皆さんの目の色が変わりました。相手のコンテキストを知るということに気付いた瞬間でした。続く模擬交渉ではそこここで熱い交渉が繰り広げられました。
模擬交渉を終えて、感想戦と呼ばれる、相手の背景情報を見て、模擬交渉を振り返ります。交渉結果は千差万別ですが、どの対戦グループからも「そうだったのか、それなら・・・」といった声が聞こえてきました。
そして第3部、先進企業での交渉学への取り組みが紹介され、昂揚した雰囲気でセミナーは幕を閉じました。
参加された皆様からは「大変有意義だった」「よりハイレベルのものを受講したい」といった感想を多数いただいております。
継続学習を希望されている皆様のためにもぜひ、第2弾、第3弾を地元八王子で仕掛けていきたいと思います。